2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国民営企業の持続的発展の諸条件-企業金融, 人材に注目して-
| Project/Area Number |
18730201
|
|---|
| Research Institution | The University of Kitakyushu |
|---|
Principal Investigator |
白石 麻保 The University of Kitakyushu, 外国語学部, 准教授 (40425004)
|
|---|
| Keywords | 中国 / 民営企業 / 企業間信用 / 中核的従業員 |
|---|
| Research Abstract |
平成20年度に交付を受けた科学研究費によって, 申請者は以下のような研究を行い, 成果を得ている。
中国現地において企業調査を実施し, 企業間信用・企業問貸借において, 与信側企業の受信側企業との関係構築状況, 与信認定に対して決定的影響力を持つ項目, 受信側企業の受信が認められるための行動様式, 及び現場レベルでの与受信企業間の交渉・交流状況についての調査を行った。今年度は内陸部を中心として企業調査を行った。これにより, 企業間信用は内陸部においても特に民営企業の資金調達においてその困難を軽減し, 企業経営を好転させる役割を持っていること, 但し, 企業は与信側企業との関係構築の中で企業間信用という資金調達の一手段を慎重に利用していること, 等が明らかにされた。
また, 民営企業の資金調達問題の背景にある中国金融市場に存在する問題を検証するために, 中国金融市場の現状についてもヒヤリングを行うと同時に, 中国金融市場の問題の歴史的背景についても資料整理とヒヤリング調査を通じて考察を行い, 更に仮説検証を行った。これについては、その成果の一部は" China' s Banks in the 1980s : Efficiency of Bank. Lending to Small and Medium-Sized State-Owned Enterprises in Guangxi Province. "『中国経済研究』等にまとめられている。またこのほかにも報告及び論文執筆中である。
上記の研究は, 中国民営企業の持続的成長を可能にするための条件について, 資金調達問題の解決とそこで重要となる与信担当者の現場レベルでの育成に焦点をあてて実証的に分析したものである。この分析に付随して, 中国民営企業の資金調達問題の背景にある中国金融市場の構造的問題を歴史的な視点を取り入れながら考察を行った。
|
