2006 Fiscal Year Annual Research Report
生活の質を重視するグループがもたらす経済的影響の分析
Project/Area Number |
18730204
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
坂田 裕輔 近畿大学, 経済学部, 助教授 (50315389)
|
Keywords | 環境経済学 / 経済波及効果 / 持続可能性 / スローライフ |
Research Abstract |
「生活の質を重視するグループ」を定義付けるために、環境や持続可能性を重視した活動の実践者にヒアリングを行なった。調査対象者は、主に環境ビジネスに従事するグループと環境NGOの関係者である。対象者は、活動の実践のために職業や居住地を変えた人々、すなわちダウンシフター(Downshifter)と呼ばれるグループである。ヒアリングでは、調査対象者のライフスタイルと他の人々とのライフスタイルの違い、生活満足度の違いという点について重点的にインタビューを実施した。ヒアリングの結果は現在取りまとめ中であるが、おおむね、以下の点が明らかになっている。 1)活動の実践のため、一般的に所得の低い職業に従事している。 2)多くの回答者は、活動実践以前の生活よりも、生活満足度が高い。 3)近代化の中で外製化されたサービスの内製化を試みている。 4)内製化されるサービスは、サービスを生産することで効用を向上させている。 この結果から、おそらく内製化されたサービスがもたらす効用の増加は少なくとも、従来外部から購入していたサービス価格と同等であると考えられる。 また、ごみ問題に対する行動から観察される環境配慮型の生活を行なう人々の特性についても分析を行なった。この結果、環境配慮型のグループは、所得や職業などの社会的属性によって特徴付けられるものではなく、主に意識の違いであることが明らかにされた。同様の結果は、「生活の質を重視するグループ」にも適用されうる可能性があるため、 上記の二つの研究を踏まえて、平成19年度に予定しているアンケート調査の素案を現在までに作成した。
|