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2006 Fiscal Year Annual Research Report

為替介入と為替予想の関係に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18730211
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

岩壺 健太郎  一橋大学, 経済研究所, 講師 (90372466)

Keywords為替介入 / 為替予想 / アナウンスメント効果 / シグナル効果 / 予想の散らばり
Research Abstract

為替相場の短期的な変動は他のマクロ経済変数では説明がつかないことから、近年では、投資家の期待形成、情報の伝達、外国為替市場の特質から為替相場の変動要因を解明しようというマーケット・マイクロストラクチャーに注目した研究が盛んになっている。これに伴い、通貨当局による為替介入の研究は、マーケット・マイクロストラクチャーに基づいた理論・実証分析によって、再び脚光を集めている。そこでは、中央銀行は市場参加者よりも将来の経済状況に関して情報優位にあるので、介入によって市場に送るシグナルが投資家の予想を変え、為替相場に影響を与えるというシグナル仮説が有力になっている。しかし、実際には、シグナルが市場参加者によって時に信用され、時に信用されないように、介入には必ずしも一定の効果があるとはいえず、シグナル仮説の正当性や為替介入の有効性を疑問視する見方も多い。これに対し、本研究では、介入の効果にはシグナルの出し手である通貨当局の介入手法に加えて、シグナルの受け手である市場参加者の抱く為替予想のちらばりが効果的な為替介入には重要であると考え、理論・実証分析を行った。
理論分析において、私的シグナルを受ける合理的な投資家と、非合理的で流動性需要に応じて取引する投資家が市場に存在するとき、私的シグナルの散らばりが大きいときに為替レートがファンダメンタル価格から大きく乖離する可能性が高く、為替レートの分散も大きくなることをモデル化した。そこで、通貨当局が合理的な投資家に対して為替のファンダメンタル価格に関する情報を提供し、私的シグナルの散らばりが小さくなると為替レートのファンダメンタル価格からの乖離が縮小し、為替レートの分散も小さくなることを示した。また、推計の結果、為替予想の散らばりが大きいときに行う公表介入には大きな効果があることが明らかになった。この政策的含意は、投資家間の為替予想の散らばりが大きいときに介入事実を公表して介入することで為替介入の有効性が高まるということである。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007

All Journal Article (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Measuring Financial Market Contagion Using Dually-Traded Stocks of Asian Firms2007

    • Author(s)
      岩壷健太郎
    • Journal Title

      Journal of Asian Economics (近刊)

  • [Journal Article] 外国人投資家の株式所有と企業価値の因果関係-分散不均一性による同時方程式の識別2007

    • Author(s)
      岩壷健太郎
    • Journal Title

      経済研究 58・1

      Pages: 47-60

  • [Book] 『社会科学を再構築する-地域平和と内発的発展』第2章「米国の対外不均衡と為替レートの調整機能」(岩壷 健太郎)2007

    • Author(s)
      西川潤
    • Total Pages
      516
    • Publisher
      明石書店

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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