2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730213
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鶴田 大輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (40422589)
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Keywords | 金融論 / 企業金融 |
Research Abstract |
本研究は中小企業金融に関するデータを用いて,借り手と貸し手の情報の非対称性の問題が中小企業の資金調達行動にどのような影響を与えるのか,実証的に分析することを目的としている. 平成18年度には以下の論文を発表した。まず、英国の研究雑誌である Applied Economicsに"Bank Information Monopoly and Trade Credit : Do Only Banks Have Information of Small Businesses?"が採択された。この論文は銀行による情報独占が、企業間信用に与える影響を分析しており、銀行が提示した金利が上昇した企業はより多くの企業間信用を使うことを示している。第二に"Credit Contagion and Trade Credit Supply : Evidence from Small Business Data in Japan"を執筆し、日本経済学会春季大会、経済産業研究所、政策研究大学院大学などのワークショップで研究発表を行った。この論文は90年代後半の日本の中小企業の企業間信用について分析しており、不況期に発生した伝染効果により企業間信用が収縮していないかを分析している。第三に、"Capital Structure and Survival of Financially Distressed SMEs in Japan"(joint with Peng Xu)を大幅に改訂し、大阪大学のワークショップで発表を行った。この研究は企業間信用の動きに注目し、どのような中小企業が倒産に至るのかを分析している. 銀行-金融機関関係をより詳細に分析するために、nikkei Needsのデータを購入し、分析を行った。このデータの分析は現在進行中であり、90年代後半に起こった金融機関の破綻が、企業の資金調達行動にどのような影響を与えたのかを分析している。
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