2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730213
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鶴田 大輔 National Graduate Institute for Policy Studies, 政策研究科, 助教授 (40422589)
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Keywords | 金融論 / 企業金融 |
Research Abstract |
本研究は中小企業金融に関するデータを用いて、借り手と貸し手の情報の非対称性の問題が中小企業の資金調達行動にどのような影響を与えるのか、実証的に分析する。第一の目的は、金融機関とそれ以外の資金調達主体に注目し、どのように情報の非対称性の問題を解決しているのかを明らかにすることである。第二の目的はマクロショックが中小企業の資金調達行動にどのように影響を与えるのかを明らかにすることである。第三にどのような中小企業が倒産に至るのかを分析することである。 上記の研究目的に基づき、平成19年度は主にマクロショックが中小企業の資金調達行動に与える影響を分析した。特に、1997年における大規模な景気の悪化に焦点をあて、企業間信用などがどのような反応をしたのかを実証分析した。この研究成果は、7月に経済産業研究所からdiscussion paperとして発表された。また、中小企業の倒産に関する分析成果の英語版を6月に経済産業研究所からdiscussion paperとして出版した。上記の二本の論文は、『中小企業総合研究』に掲載された拙著で詳細に紹介されており、日本語でも研究結果を読むことができる。最後に中小企業の銀行に対する借入依存度と金利の関係を中小企業のデータを使って分析した論文が12月に英文学術雑誌、Empirical Economics Lettersに採択された。この論文は20年度中に出版される号に掲載される予定である。 上記の分析は、すべて中小企業の個票データを用いて分析したものであり、従来の分析よりも詳細な結果を得ている。
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