2006 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンにおける「財閥」企業集団の企業統治構造とその変容
Project/Area Number |
18730235
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
岸田 未来 鹿児島県立短期大学, 商経学科, 准教授 (60342424)
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Keywords | スウェーデン / 企業集団 / 企業間関係 / 財閥 / ヴァレンヴェリ・グループ |
Research Abstract |
18年度の当初の研究計画においては,(1)スウェーデン語文献における財閥史・銀行史・産業企業史を中心とした先行研究の整理,(2)1970年代から1990年代にかけてのスウェーデン企業の株式所有・支配構造の全体像とその変化を,各種資料に基づき具体的に明らかにすることを予定していた。また資料収集として,18年度後半期に二回の現地調査(主に証券取引所関連のアーカイブ)を計画していた。 18年度の研究実績は,(1)現地においてスウェーデン語文献の収集と整理を幅広く行うことが出来た。スウェーデンの企業集団に関する先行研究・議論は,経営史分野のみならず,経営学や経済学,政策分野においても活発に行われており,日本の企業集団論やコーポレートガバナンスに関する議論との共通性も多く見られた。この成果は,19年度執筆予定の論文に反映される予定である。(2)企業集団の実態とその変化に関するマクロな実態検討については,Agarna och Maktenを使用し,主要な企業集団であるヴァレンヴェリ・グループについて1985年から現在に至る所有構造の変化を概括することが出来た。ただし,その他の企業集団も含めた実態検討については,現在継続中である。この成果は,「<研究ノート>スウェーデンにおける「企業集団」と企業間関係」として論文にまとめられた。予定されていた資料収集を目的とした現地調査は,証券取引所アーカイブについては,企業集団の実態分析に必要な資料が,現時点においては上記のAgarna och Maktenでカバーされているため,実施を次年度に見送り,代わりに個別企業のアーカイブス(ABB)にて資料収集を行った。これは主に,企業集団に属する個別企業側の,企業集団内銀行との融資関係を明らかにするためであり,この成果は次年度執筆予定の論文に反映される予定である。
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Research Products
(1 results)