2008 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンにおける「財閥」企業集団の企業統治構造とその変容
Project/Area Number |
18730235
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
岸田 未来 Kagoshima Prefectural College, 商経学科, 准教授 (60342424)
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Keywords | スウェーデン企業 / 企業統治 / 財閥 / ヴァレンベリ・グループ / アセア社 / ABB社 |
Research Abstract |
本年度の計画は, 一・二年目に明らかにしたスウェーデン財閥の企業統治構造の全体像をふまえ, 1970年代から1980年代の企業集団メンバー企業における, 経営方針の転換過程と, そこにおける企業統治構造との関連を明らかにすることであった。具体的には(1)「財閥〕企業集団に属する企業の国際的な経展開期(1970年代後半〜80年代)を取り上げ, 当該期の具体的な経営展開とその要因を明らかにすること, (2)当該期において産業企業側での経営転換過程が, 企業統治構造によってどのように規定されていたのかを, 重役会に参加する各ステークホルダーの立場の相違から明らかにすることである。 上記計画に照らして今年度の研究成果は, スウェーデン企業ABB(アセア)社の国際展開という経営戦略方針と, このプロセスに対して重役会参加メンバー・各ステークホルダー間の立場の違いがどのような影響を及ぼしたのかを具体的事例として明らかにすることができた。当初計画していたインタビュー調査は先方の事情により実現しなかったが, 企業アーカイブ等での重役会議事録及び財務諸表資料を使い, 実証研究を行うことができた。この成果は, 2008年の経営史学会全国大会での自由論第報告にて発表されている。また本年度は研究助成期間の最終年度にあたり, 三年間にわたる研究成果のまとめを別途複数の論文として発表する。2008年に行ったスウェーデン財閥に関する翻訳に加え, 2009年にはScandinavian Economic Historyに, 日瑞の企業集団構造比較の論文(英文)が掲載される予定であり, 大学紀要にもスウェーデン企業集団の統治構造の歴史的にする論文が掲載される。さらに学会報告等でも引き続き, 本研究課題の成果を報告する予定である。
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Research Products
(2 results)