2007 Fiscal Year Annual Research Report
ライン=セルの生産形態決定モデルの定量化と生産形態の移行に関する事例研究
Project/Area Number |
18730238
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小沢 浩 Nagoya University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40303581)
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Keywords | セル生産 / 標準原価 / 生産管理 |
Research Abstract |
本研究は,ベルトコンベアに代表されるライン生産と,一人組み立てに代表されるセル生産とを比較し,セル生産によって生産性が増大する原理について,定量的モデルと事例によって明らかにしようとするものである。研究方法は,主に,模擬的生産ラインにおける作業の映像分析と,様々な工場の実態調査による。 工場の実態調査として,本年度は,三菱電機株式会社名古屋製作所におけるFAシステム,リコーエレメックス株式会社恵那事業所におけるセルとコンベアの混合生産システムおよび台車生産システム,株式会社デンソー安城製作所における技能形成の仕組み,松下電器マレーシアにおける人件費上昇下での生産体制の変化,タイのYSPuntにおけるトヨタ生産方式および新人研修制度について調査を行った。 映像分析としては,微細動作分析ソフトOTRSを用いて,数種類の作業について所要時間の計測を行った。ただし,今年度は計測にとどまり,結果の詳細な分析はまだ完了していない。 成果としては,今年度にまとめることができたものはないが,定量的モデル作成の途中経過として,「能率管理における標準原価計算の限界とタクト生産方式の優位性,および両者の併存不可能性」というテーマで論文をまとめているところである。これは,標準原価計算による能率管理がセル生産のもとでは適用可能であるが,ベルトコンベアに代表されるタクト生産方式のもとでは適用できないことを数学的に証明しようというものである。また,標準原価計算では,平均値の管理のみで,分散の管理ができないが,タクト生産方式では,平均値と分散の両方の管理ができるので,管理方式としては,タクト生産方式の法が優れていること主張している。
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