2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730251
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
松本 雄一 北九州市立大学, 経済学部・経営情報学科, 助教授 (10336951)
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Keywords | デザイン・マネジメント / デザイン |
Research Abstract |
2006年度はデザイン・マネジメントについて2つのリサーチ・フィールドで調査を行った。まず佐賀県有田市・伊万里市における陶磁器産業についてインタビュー調査を行い、地域で陶磁器のデザインがどのようにうまれているのか、その背景がどこにあるのかを、窯元などを訪ね歩いてデータを収集した。もう1つは九州の鉄道会社で斬新なデザインの車両を多数開発している企業にインタビュー調査をおこない、そのプロセスにおける組織的マネジメントと協働のあり方についてデータを収集した。どちらのケースともに理論的に多大な貢献をもたらすものになり、有意義な調査になった。 それと前後して文献サーベイと理論構築を行い、その成果を組織学会2007年度年次大会で発表した。組織において「デザインの相互構築」がおこなわれていたこと、そこでデザイナーはブランドのコンセプトであったり、会社全体に浸透するデザイン哲学であったり、その製品に対する営業的な条件であったり、セールスポイントとしての機構であったりといったさまざまな条件を、自身の中で消化し、その上でその複雑な「問題の解答」としてデザインを生み出していたこと、そしてデザイナーと組織の間で「デザイン・ベクトル」:その部署・会社において、デザインの向かう方向性・力が存在すること、そしてそのベクトルは一方向に束ねられるものではなく、逆に適度にぶつかり合うことがよりよいデザインを生み出すために必要なことであると考えられるという仮説を提示することができた。大変実りの多い研究を行うことができた。
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Research Products
(1 results)