2007 Fiscal Year Annual Research Report
多角化企業が抱える複数事業間での技術転用時における情報仲介メカニズムの解明
Project/Area Number |
18730264
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
藤原 雅俊 Kyoto Sangyo University, 経営学部, 講師 (20411019)
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Keywords | 多角化企業 / 事業間技術転用 / シナジー / 企業成長 / 経営資源の蓄積と利用 / 企業戦略 / 競争的相互作用 / 企業間競争 |
Research Abstract |
平成19年度においては、研究成果を複数回にわたって学会発表していった。具体的には、日本経営学会の関西部会および全国大会にて発表し、さらに組織学会全国大会でも報告を行った。とくに、経営資源の事業間転用プロセスを通じた企業成長プロセスや、産業間相互依存性と技術蓄積メカニズムの解明に力を注いだところである。これは、本研究課題である事業間技術転用がいかなる成果を生み出しうるのか、ということをテーマとして扱ったものである。分析対象事例はセイコーエプソン、インクジェットプリンター産業、そしてデジタルスチルカメラ産業である。報告を目的として、本年度においては新たにデジカメ企業への取材を進めていった。カシオやオリンパスへの聞き取りを行う事により、インクジェットプリンター企業が彼らからどのように見られていたのか、どのような戦略的意図を抱いていたのか、ということを明らかにしていった。 執筆事項としては、企業戦略というテーマで一部の研究成果を噛み砕いて説明した教科書を分担執筆した。一方、本研究テーマに沿った新しい研究領域としてsuicaシステムの開発プロセスを追う事にし、その取材結果を執筆した。鉄道インフラという既存資産を活用しながら電子マネービジネスを展開し始めているJR東日本の戦略推進者に複数回にわたって取材を行った。既存資産のなかったビットワレット社のedyに比べ、JR東日本には鉄道インフラの転用が認められる。本年度は、この資源転用プロセスを丹念に追い始める事ができた。経営資源の関連性は業績に正の影響を与えると一般的には考えられており、本年度には、その関連性をいかに成し遂げていったのかを追跡し始めている。
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Research Products
(6 results)