2007 Fiscal Year Annual Research Report
自動車車載電子システムにおける日欧標準化コンソーシアム運営手法の国際比較
Project/Area Number |
18730265
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
徳田 昭雄 Ritsumeikan University, 経営学部, 准教授 (60330015)
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Keywords | 標準化 / コンソーシアム / 車載LAN / FlexRay |
Research Abstract |
本研究では、「国際標準」という学際的なテーマの実態に迫るべく、日欧双方の標準コンソーシアム(日:JasPar、欧:FRC)における車載LANプロトコル"FlexRay"の標準化の動向を調査・分析してきた。2007年9月をもって4年目に入ったJasParの活動を振り返ってみると、その成功要因は「適切なターゲットの設定」と「それを実現し得るコンソーシアムの組織能力」にあると言っても的外れではなかろう。「CANの二の舞を踏むことの無いよう、相互接続性の高い使えるFlexRayにする」という明確なターゲットのもと、水平的関係にある企業間での協調はもとより、関連するWG間あるいは垂直的関係にある企業間で相互に調整を図りながら協調的に標準化活動が進められていたことがJasParの標準化活動の考察を通じて把握することができた。 それでは、このような企業間の垂直的協調関係はそもそも何のために必要であったのか。それは、車載電子制御システムを水平分業的かつオープンなアーキテクチャへと変化させるために、企業間、あるいはレイヤー間でタスクを分割するためである。そして、タスク分割後にCAN導入当初に自動車メーカーが苦労したようなインテグレーション作業を再現しなくて済むように、予め関係サプライヤ間で調整を図りインターフェイス標準の中に調整機能を埋め込んでいるのである。JasParとは「組み合わせのためのすり合わせの場」と評されることがあるが、JasPar車載LAN関連WGに限って言えば、それは「確実な組み合わせのためのすり合わせの場」、「事後(ex post)の円滑な市場取引の実現のために、事前(ex ante)に企業間の垂直的協調関係に基づく調整メカニズムをインターフェイス標準に埋め込むためのプラットフォーム」であると言えるであろう。
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Research Products
(4 results)