社会的企業・コミュニティビジネスの存立条件と基盤整備に関する研究

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18730266
• Research Institution: Kansai University
• Principal Investigator: 橋本 理 関西大学, 社会学部, 助教授 (60340650)
• Keywords: 社会的企業 / コミュニティビジネス / 経営学 / 企業形態論 / NPO

Research Abstract

本年度は、社会的企業・コミュニティビジネスに関する先行研究を整理・分析するとともに、ヒアリング調査により、現下の状況把握に努めた。また、イギリスにおける社会的企業・コミュニティビジネスの存立条件と基盤整備の課題について検討を加えた。
具体的には、まず第1に、研究の前提として、国や自治体によるコミュニティビジネスの支援政策がどのように展開されているか、また、既存の社会的企業論・コミュニティビジネス論の展開とその問題点について、先行研究を分析するなかから明らかにした。
第2に、日本の都市部における社会的企業・コミュニティビジネスの現状について、その存立条件と基盤整備のあり方を明確にするために、コミュニティビジネスの支援を実施している自治体からのヒアリング、コミュニティビジネス事業者からのヒアリングを実施した。
第3に、ホームレスの自立支援団体からヒアリングを行い、社会的企業やコミュニティビジネスが存立する条件がどのようなものであるかについて情報を収集した。
第4に、イギリスにおける社会的企業・コミュニティビジネスの展開について、イギリスの各団体の資料を分析するとともに、現地の状況についてインタビューを行った。
ヒアリング調査を実施するうえでは、事業組織の運営面だけでなく、組織間の相互の連携、中間支援団体の統括機能、自治体による支援の意義について、現場の動向を探るべく分析を進めた。
研究成果の全体は、現在はまだ公表する段階にはないが、平成19年度には、本年度に行った先行研究の検討、ヒアリング調査から得られた知見を分析の素材とし、さらに追加のヒアリングを実施することにより、都市部における社会的企業・コミュニティビジネスの重層的な展開のために必要な条件を明らかにすることを予定している。