2006 Fiscal Year Annual Research Report
トレーサビリティシステム構築における企業間情報ネットワークの役割に関する研究
Project/Area Number |
18730271
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
松野 成悟 徳山工業高等専門学校, 情報電子工学科, 助教授 (30290795)
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Keywords | トレーサビリティ / 情報ネットワーク / 企業間連係 / EDI |
Research Abstract |
近年、電子タグ等の自動認識技術の実用化を背景として、企業内および企業間プロセスにおけるトレーサビリティ(商品の履歴追跡管理)の取組みが進みつつある。本研究の目的は、企業におけるトレーサビリティへの取組みの現状分析をふまえ、複数企業あるいは業種にまたがるサプライチェーンにおけるトレーサビリティの実現に向けての課題を、とくに企業間における情報共有の問題を中心に検討し、トレーサビリティシステム構築における企業間情報ネットワーク形成の役割について明らかにすることにある。本研究の一年目となる今年度は、企業におけるトレーサビリティへの取組みの現状と動向に関してその実態を把握するとともに、既存研究のサーベイを実施した。また、以前われわれが実施した質問票調査データ(2004年12月実施、有効回答率14.6%)の統計解析を行ない、トレーサビリティシステム構築とEDIシステムやバックエンドシステムとの関係を分析した。その結果、まず、トレーサビリティシステム導入要因の分析では、「対外的競争力」、「環境圧力」、「オペレーション」の3因子を抽出した。このことは、企業によるトレーサビリティへの取組みが、主体的・積極的な側面と外部環境要因への受身的な姿勢の両面を併せ持っていることを示している。つぎに、トレーサビリティシステムの導入と企業間情報ネットワークとの関係では、トレーサビリティへの取組みが企業間の情報共有基盤としてのEDIシステムのオープン化(標準化)を促していることが示唆された。そして、品質管理の向上や業務効率化の視点からトレーサビリティに主体的・積極的に取組む企業ほどバックエンドでのEDIデータの二次利用状況が高いことなどが明らかとなった。具体的には、販売管理、顧客管理、生産管理、財務・会計管理の4分野において、EDIデータが活用されていることが指摘できる。
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