2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国における百貨店の文化的機能に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
18730285
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
島永 嵩子 Kobe Gakuin University, 経営学部, 講師 (30388772)
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Keywords | 文化的機能 / 百貨店 / 中国 / 消費文化 / マーケティング / 商業 |
Research Abstract |
本研究が着目する核概念である「文化的機能」の性格を明確にするために、平成19年度では、中国における百貨店をめぐる歴史的背景や消費文化の変容に関する理論研究を行った。中国の百貨店における文化的機能を考察するにあたって、百貨店の発展に大きく寄与したとされる生成期における上海の百貨店を取り上げることにした。具体的に、中国における生成期の百貨店はどのような文化的機能を有し、中国の消費文化にどのような影響を与えてきたかについて、史料や先行文献に依拠しながら解明を試みた。分析の結果、生成期における上海の百貨店は、外来文化を柔軟に受け入れ、空間的な構造をフルに活用して、商業施設を別世界に仕立ててあげていたことがわかった。この発見から、当時の中国における百貨店は、文化装置として充分な機能を果たしていたといえよう。その成果は、「中国の百貨店における文化的機能の形成-生成期における上海の百貨店に焦点を当てて-」と題して『神戸学院大学経営学論集』第4巻第1号に発表している。 さらに、仮説構築の精緻化を行うとともに、次年度以降に実施予定の調査研究(定量・定性)のフレームを構築していくために、2008年3月に、現地に出向き、観察および百貨店の部門責任者へのインタビュー調査を行った。この現地調査によって、中国の百貨店を取り巻く現状をある程度、把握できた。現在、インタビュー調査の際のテープ起こしを行い、論点整理の作業を進めているところである。
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