2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18730296
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 隆史 Nagasaki University, 経済学部, 准教授 (60336146)
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Keywords | 管理会計チェンジ / 管理会計システム / マネジメントコントロール / 業績評価システム / 成果報酬制度 / 成果連動型業績評価システム / インターラクテブコントロール |
Research Abstract |
本年度も, 前年度から引き続き,「管理会計チェンジの理論的・実証的研究」の課題のもとで研究をすすめてきた。本年の研究実績の概要としては, 成果報酬制度や成果連動型業績評価などの業績管理システムの(PMS)の設計変更(管理会計チェンジ)がどのような過程を経て組織成果の向上に対して影響を与えているのかを解明を、前年度までの文献レビューの他、定量的, 定性的なデータを統合し試みた。 成果としては, (1) PMSの設計の変更と利用の変化との間の因果関係, (2) PMSの利用の変化と組員の機会主義的行動および組織成果の向上との間の因果関係にまで踏み込んで仮説を築し, PMSの設計変更が組織成果の改善に至る過程をモデル化し, 分析した。分析の結果, (1) 戦略遂行の過程が業績指標の多様化を通じて明確になり, またそれが非財務業績・評価過程を重視する設計への変更を経由ることで, PMSの診断的利用が進む。その一方で, (2) 業績指標の多様化が報酬決定における財務業績の重視への設計変更を経由することで, PMSのインターラクテイブ利用が促進される。(3) PMSの設計変更は. それを診断的またはインターラクテイブに利用することを通じて非財務業績の改善につながる。(4) 特に, インターラクテイブ利用への変化に関しては, 機会主義的行動の抑制を経て非財務業績の改善に影響が及ぶ, の4点が明らかになった。 これら結果からの含意としては. (1) マネジャーガPMSをインターラクティブに利用するというSimons(2000)の理論仮説に好して, 本研究では, 具体的にどのようなPMSの設計がインターラクテイブに利用されるかを示すことができた. (2) PMSめインターラクティブ利用と診断的利用の相互関係(Henri. 2006. Widener, 2007)について経験的証拠を追加できた、(3) PMSのインターラクテーブ利用と組織成果との関係について、組織成員の機会主義的行動が媒介変数として作用していることを発見することができた、3つの点を得ることができた。
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