2006 Fiscal Year Annual Research Report
業績報告プロジェクトにみるディスクロージャーの透明性と会計情報の質
Project/Area Number |
18730297
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
中村 美保 大分大学, 経済学部, 助教授 (60381026)
|
Keywords | 財務会計 / 開示 / 会計情報の質 / 業績報告 / 利益制御 / ディスクロージャー / 包括利益 / 純利益 |
Research Abstract |
研究の目的は、以下のとおりである。近年、国内外で重要な議題として取り上げられているテーマとして、業績報告に係わる問題がある。これは企業の経営成績を示す損益計算書の表示を再構築することにより開示の透明性を向上させることをねらいとしている。業績報告に関する研究は、これまでもっぱら株価との関連性(価値関連性)の観点から検討されることが多かった。しかしながら、業績報告に係わる問題は、本来、利益の構成要素となる会計数値をいかに財務諸表利用者に理解しやすく開示するのか(開示の透明性の向上)、それにより経営者による利益制御を抑制することができるか、結果として会計情報の質を高めることができるのかといった論点を内包している。本研究はこれらの論点について実証的に探究していくことを目的としている。 次に研究の進行状況についてであるが、現在のところ、国内外の業績報告、ディスクロージャーおよび財務報告に関連する文献、および利益制御(earning management)に関連する文献のレビューを広くかつ詳細に行うこと、これをもとに検証すべき論点を複数洗いだすことについてはほぼ完了している。またパソコン等の備品購入、および分析ソフトの更新など研究環境の整備についても終わっている段階である。今年度は、不足分の関連資料およびデータベースの収集・作成に尽力しながら、実際にプレテストを繰り返し検証仮説の精緻化を図ることを目標としている。さらに、検証仮説に関して統計等の専門知識を有する者との意見交換を行いながら、具体的なリサーチデザインを組み立てることを予定している。
|
Research Products
(1 results)