2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本加工組立型企業における組織間情報共有に関する実態分析
Project/Area Number |
18730301
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
坂口 順也 関西大学, 会計研究科, 助教授 (10364689)
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Keywords | 組織間関係 / 情報共有 / 組織間コストマネジメント / 組織間コントロール / 取引コスト / 信頼 / 交渉力 / 開発能力 |
Research Abstract |
本年度は、第一に、組織間での情報共有にかかわる文献を関連領域を含めて調査した。具体的には、欧米の管理会計雑誌に掲載される組織間管理会計に関する論文、日本の会計雑誌に掲載される情報共有に焦点を当てた論文、日本を含む加工組立型産業の組織間関係について検討した論文などである。これにより、欧米の組織間関係に関わる管理会計研究が、(1)組織間での協働に基づくコスト低減活動に焦点を当てた「組織間コストマネジメント」と、(2)組織間でのコントロール構造やガバナンス構造に焦点を当てた「組織間マネジメント・コントロール」に分類することができること、および、こうした二通りの研究テーマが1990年代の半ばを境にして分断されて存在していること、さらに、隣接領域である加工組立型産業を対象とした既存研究の成果が十分に活用されていないこと、などを明らかにすることができた.第二に、組織間での情報共有にかかわるインタビュー調査を実施するとともに、今年度における研究の渦程から生じた中間生産物を論文、ワーキングペーパー、著書の分担執筆や研究報告というかたちで発表した。具体的には、雑誌論文3本(そのうち英文論文1本)、ワーキングペーパー1本、著書分担執筆2本と、研究会報告(2006年10月管理会計フォーラム・一橋大学)1回である。 こうした今年度における一連の研究活動から、翌年度の課題として次のようなものが導出された。第一に、隣接領域である加工組立型産業を対象とした組織間関係に関する既存研究の知見を、組織間での情報共有のメカニズム解明のために利用することである。第二に、組織間での情報共有を解明する為の方法として、インタビュー調査の継続や、重要概念の変数化とサンプルの特定を含む質問票調査の模索などである。
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