2007 Fiscal Year Annual Research Report
組織学習を促進する管理会計システムに関する理論的研究
Project/Area Number |
18730304
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
伊藤 克容 Seikei University, 経済学部, 教授 (40296215)
|
Keywords | 組織学習 / 管理会計 / マネジメント・コントロール・システム / 組織文化 / 予算管理システム / エンパワメント / 自律的組織 / マネジメント・コントロール |
Research Abstract |
本研究では研究対象として、組織学習(organizational leaming)およびそのマネジメントに着目し、組織学習を効果的に促進する管理会計システム(マネジメント・コントロール・システム)の備えるべき設計変数と導入・運用における要件について明らかにすることを目的としている。これは、競争優位のために欠くことのできない組織学習という機能的側面から評価したマネジメント・コントロール・システムの評価を可能とする理論を構築し、紹介・普及させるために不可欠のプロセスである。 上記の目的を果たすために2007年度においては、(1)予算管理システムの運用状況と組織コンテクストとの関係、(2)組織文化マネジメントに対する管理会計の貢献可能性、(3)組織学習の組織的基盤としてのエンパワメント概念の考察とエンパワメントを促進する管理会計理論に関する考察という3つのサブテーマを設定し、これら全てについて論文での成果報告を実施した。同時に、伝統的な管理会計システムと組織学習を前提とする自律的組織における管理会計とを対比させたこれまでの歴史的な研究成果を著書として公刊した。 上記の公開された活動成果以外にも、文献調査を継続し、国内外での刊行論文、著作物、研究報告などに関する情報収集を行った。また、実務家を中心に当該問題に関するヒアリング調査を継続している。さらには、国内外での学会・研究会で暫定的に構築した成果物(理論仮説)の発表を実施した。学会発表の実施により、コメントおよびフィードバック情報を収集することができ、改善点が明確になった。
|