2007 Fiscal Year Annual Research Report
「東京国と地方国」の亀裂と連携のガバナンスモデル探求
Project/Area Number |
18730315
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中澤 秀雄 Chiba University, 文学部, 准教授 (20326523)
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Keywords | 地域社会 / 地域間格差 / 持続可能な自治 |
Research Abstract |
研究代表者は平成15年度から17年度にかけて、「「リスク社会」における地域情報空間の配置と亀裂に関する比較研究」というタイトルで科学研究費(若手(B))を受けているが(課題番号15730251)、平成18年度から開始された本課題はその成果を踏まえて、新たな展開を確立するための基礎作業と位置づけられており、本年度は中間年度として、新たな可能性を海外に発見することができた。 先述の15730251の実績報告書では、さらなる研究展開の方向性を二つ示唆した。A.東京圏内、あるいは東京圏と非東京圏の亀裂の状況を、より総合的に明らかにすること。B.その亀裂状況をこえて、持続可能な自治のモデルを探求していくこと、説得的な具体例を構築していくこと、である。このうちAについては継続的に作業を続けており、今年度発表した東京大学出版会『講座社会学3村落と地域』所収論文にも、地域社会学の成果を踏まえた状況の素描を行ったほか、国際社会学会RC21バンクーバー会議でも東京圏内の状況について報告した。ここ数年の社会状況の変化のなかで「地域格差」と言われるようになった問題系と重なるので、引き続き考察する。 一方、Bの方向性については、本年度にケント大学を拠点にして英国での準備的地域調査を実施した結果、南ウェールズの旧産炭地域に新たなモデルを発見し、この地域と日本側の取り組みとを架橋してゆけそうだとの見通しを得た。平成20年度は、本格的な連携のための準備作業を展開して、本課題を通して発見されたガバナンスモデルの彫琢と展開に備えたい。
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