2008 Fiscal Year Annual Research Report
「東京国と地方国」の亀裂と連携のガバナンスモデル探求
Project/Area Number |
18730315
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中澤 秀雄 Chiba University, 文学部, 准教授 (20326523)
|
Keywords | ガバナンス / 地域社会学 |
Research Abstract |
三年間にわたる本課題は、地域間比較の視点のもとに持続可能な地域自治を探求する準備作業と位置づけられていた。目的の第一は、東京圏内あるいは東京圏と非東京圏の亀裂の状況を、より総合的に明らかにすることである。これについては、『法学新報』執筆論文などで中間的なまとめを行った。第二の目的は、その亀裂状況をこえて、持続可能な自治のモデル(ビジネスモデルならぬガバナンスモデル)を国内外の事例を参考にして探求していくことである。昨年度は英国および欧州各地の事例収集につとめ、そのなかで南ウェールズ地域の旧産炭地の事例が注目すべきものであることを発見した。この事例については『社会情報』掲載の研究会報告に詳しい。最終年度にあたる今年度は、この事例と日本の旧産炭地の事例とをブリッジすることを主たる目的とし、準備的調査と新たな研究体制づくりを行った。具体的には、8月に南ウェールズを訪問し、関係者との打ち合わせ、現地視察、資料収集を実施した。さらに別に獲得したDaiwa Anglo-Japan Fundを利用して、2009年度にシンポジウムを開催することでも合意した。またこうした展開に興味を持ちそうな国内の研究者と接触し、「旧産炭地研究会」と称する新たな研究組織を形成した。こうしてガバナンスモデルの軸となる事例を発見したことにより、「新たな展開への準備作業」と位置づけられた三年間の本課題は、初期の目的を達成することができたと考えている。この期間に発表した論文・書籍は7点、学会報告は英語のもの2本であり、与えられた研究費に見合った成果を挙げたと考えている。
|
Research Products
(4 results)