2007 Fiscal Year Annual Research Report
自らを社会に接続させるメディア・リテラシーの実証研究-障害者に学ぶ「知の積層」-
Project/Area Number |
18730333
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
柴田 邦臣 Otsuma Women's University, 社会情報学部, 講師 (00383521)
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Keywords | メディア / ICT / リテラシー / 障害者 / 社会参加 / 福祉 / 福祉化 / 情報化 |
Research Abstract |
本研究は障害当事者が自らを社会参加させるためにICTを主とするメディアを利用する際の「知」、リテラシーの積層を明らかにし、典型例のデータを収集・整理してその道筋を得ることが目的である。今年度は助成金額を受けて質問紙調査、およびフィールドワークによってデータ収集し、以下のような実績を上げることができた。 (1)アンケートによる「社会参加-リテラシー調査」 本年度は、昨年度の予備的なアンケート調査の成果を受けた本調査を実施した。 ITを中心としたメディアをどの程度、そしてどのように利用しているかを独立変数とし、どの程度社会参加が促進されているかを従属変数としたアンケートを整備し、協力を得られた宮城県の障害者・高齢者に対して実施した。同時に東京近郊でも対照調査としてのアンケートを実施した。その成果の一部は皆吉・柴田(2007)や柴田(2007 : 日本社会情報学会報告)として発表された。 (2)宮城・仙台でのフィールドワーク 実際に地域でのパソコン教室などから、障害当事者がメディア・リテラシーを蓄積する様子をフィールドワークによって知り、それがどのように社会参加に結びつきうるかを検討した。地域の社会関係資本を活用した「リテラシーを獲得する場」から、インターネット上のコミュニケーション空間を活用した「リテラシーを活用するコミュニティ」まで、社会参加する〈知〉の積層を如実に知ることができた。その成果の一部は柴田(2008)などに生かされている。
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