2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会システム理論の精緻化とその応用可能性に関する研究
Project/Area Number |
18730336
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
赤堀 三郎 Tokyo Woman's Christian University, 文理学部, 講師 (30408455)
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Keywords | 社会システム理論 / ニクラス・ルーマン / 自己言及 / 再帰性 / パラドックス / サイバネティクス / 一般システム理論 |
Research Abstract |
研究代表者は、現代社会に対する社会学の理論的アプローチを構想するにあたり、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンの学説に注目しつつ、ルーマンその人と同様に、一般システム理論と社会学理論との関係についての討究を進めてきている。本研究の2年度目となる平成19年度は、国内外の研究文献ないし資料の収集・整理や、各種学会大会・研究会への参加による情報収集等の前年度からの活動の継続の他に、その成果の発表を行った。成果発表としては次のものがある。すなわち、(1)論文「『第三の道』へのシステム理論的アプローチ」(『社会・経済システム』28号;平成19年10月)、(2)社会・経済システム学会第26回大会における口頭発表「社会学から一般システム理論へ」(単独報告;平成19年10月14日)、(3)日本社会学会第80回大会(於・関東学院大学)における口頭発表「戦後アメリカにおけるサイバネティクスと社会学」(単独報告;平成19年11月18日)、および(4)論文「社会の社会学的再記述」(『東京女子大学社会学会紀要』36号;平成20年3月)である。「社会システム理論の精緻化とその応用可能性に関する研究」という研究課題との関連は次の通りである。まず、(2)ではシステム理論一般へと貢献しうる社会学的システム理論の可能性をパラドックス概念の検討から示唆することによって、今後の社会システム理論の「精緻化」の方向性を示した。また(3)では、一般システム理論の研究者集団から社会学者たちが排除された過程を集団内の相互作用の観点から論じた(社会学の対象がシステム理論になじまなかったせいではない)。一方で(1)と(4)では、「社会」についての社会学的理論構築という観点から、社会システム理論の「応用可能性」について論じた。以上の研究実績に加え、研究代表者はその他の学会報告の準備および論文の執筆等も進めつつある。だがこれらの研究成果の公表については、次年度以降にずれ込む見通しである。
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Research Products
(4 results)