2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会における社会階層と社会的ネットワークに関する計量社会学的研究
Project/Area Number |
18730337
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅野 剛 日本大学, 文理学部, 助教授 (10332751)
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Keywords | 社会的ネットワーク / 構造方程式モデリング / 社会階層 / 妥当性 / 信頼性 |
Research Abstract |
社会的なサポートや資源、情報網、準拠枠などとして様々な形で作用する社会的ネットワークを把握するために、多様な測定方法の比較と関連についての基礎作業や分析を行った。まず、ネットワーク指標の分析のために、吹田市、世田谷区における地域調査データの整備と比較分析を行い、社会的属性と社会的ネットワーク指標の関連の強さを探った。また、ポジション・ジェネレータにおける、測定に含める職種の取捨選択の基準について検討を行った。それぞれのネットワーク指標は、社会領域と職業領域の複数の因子から影響を受けるものとして、構造方程式モデリングによる分析を行ったところ、CFI=.983〜.985であり、適合度は悪くなかった。この分析をもとに、吹田市と世田谷区のデータを用いて多母集団の同時分析を行った結果、適合度は、配置不変モデルにおいてAGFI=.950、CFI=.989、測定不変モデルにおいてAGFI=.952、CFI=.989、分散共分散の等価制約を施したモデルではAGFI=.948、CFI=.984等となった。以上から判断すると、今後、さらに他の地域や異なる条件での分析を積み重ねる必要はあるものの、今回測定した指標間の関連は、ある程度安定しているものと考えられる。これらの分析結果については日本行動計量学会、日本大学社会学会などにおいて発表した。また、主観的・客観的な様々なネットワーク指標の検討と探索的な分析を行うためにサンプル数700程度の自記式調査票調査を実施し、様々な指標間の関連について検討を進めている。
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