2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン、マニラ首都圏の公共集合住宅における地域社会の構築の研究
Project/Area Number |
18730341
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
長坂 格 Niigata University of International and Information Studies, 情報文化学部, 准教授 (60314449)
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Keywords | 都市 / 家族・親族 / フィリピン / 地域社会 / 公共集合住宅 / 住宅政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フィリピン、マニラ首都圏における公共集合住宅を主たる調査対象として、都市を取り巻く諸変容の中で、住民がいかに家族・親族関係及び地域社会を再構築してきたかという点を、フィリピンの農村社会の家族関係、地域社会の成り立ちとの比較もおこないつつ、明らかにすることである。3年計画の3年目に当たる平成20年度は、8月から9月に約40日間、フィリピンに滞在し、農村での世帯調査を実施するとともに、日本およびフィリピンにおいて前年度の調査成果の口頭発表をおこなった。 フィリピンの農村での調査では、前年度の都市調査との比較を念頭に置きつつ、さらに前年度の調査において公共集合住宅においても顕著であった、国際移住現象の農村社会へのインパクトを把握するために、99世帯を対象に世帯調査を実施した。世帯調査を実施したのは、1998年に代表者が世帯調査を実施した北部ルソンの村であった。世帯調査の集計・分析は途上であるが、調査で得られた本研究全体にとって重要となる主な知見としては、家族・親族間の支援が、海外移住の長期化によって社会経済的地位が明確に分化した地域社会住民同士を、かろうじて結びつけている現状が、以前より明確となっていることが挙げられる。 なお、前年度のマニラ首都圏における公共集合住宅調査は、日本国際文化学会およびフィリピン大学大学院のセミナーの中で発表され("Publicly Financed Tnemnts as an Urban Frontier : Community formation and recohstruction of kinship relations among tenement residents in Manila""Devloment Theories"(PS 222), Asian Center, University of the Phihppines)、今後、調査資料を公刊していくにあたって有益なコメソトを得るごとができた。
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Research Products
(2 results)