2006 Fiscal Year Annual Research Report
学校コミュニティにおける対人援助職のソーシャルワーク機能に関する研究
Project/Area Number |
18730352
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
槙野 葉月 首都大学東京, 人文科学研究科, 助手 (90423821)
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Keywords | ソーシャルワーク / 学校 / コミュニティ |
Research Abstract |
本研究は,学校コミュニティにおける対人援助職のメンタルヘルス支援のあり方について,特に教職員と学校外機関との連携に焦点をあてて実態を調査し,学校コミュニティにおけるメンタルヘルス支援に用いられる連携の技術・方法を明らかにすると共に,学校コミュニティにおいて児童生徒へ適切なメンタルヘルス支援を行うに際して,必要なソーシャルワーク業務について明らかにすることを目的としている。 今年度は,先行研究における文献的な検討から,学校コミュニティにおけるソーシャルワーク業務の必要性が増しており,近年,スクールソーシャルワーカーの設置・派遣を決定した自治体が増加していることが明らかとなった。また,ソーシャルワーク的機能を果たす多様な制度枠組みが存在しており,ソーシャルワーカーの派遣実績の有無に関わらずソーシャルワーク業務が学校コミュニティ関連領域で重要であることが確認された。さらに,スクールソーシャルワーカーとして活動する際には教員とのコンサルテーション業務が重要な部分を占めるほか,状況に応じたスクールカウンセラーとの協働関係の構築や役割分担の明確化が求められることも明らかとなった。 また学校内の対人援助職によるソーシャルワーク的業務のため,ヒアリング調査を行った。その結果,教員の家庭訪問や児童福祉機関との連携,生徒や保護者との相談活動は比較的活発に行われているものの,他の教務担当の一環として認識されていることが多かった。また,学内の校務分掌や,一般教諭,養護教諭,事務職員,管理職,スクールカウンセラーなどの職位によって重点事項が異なることも明らかとされた。これらの結果に基づき,職務分類表の下案を作成した。 次年度には,職務分類表を完成させ,自己報告式によるタイムスタディを実施し,学校コミュニティにおけるソーシャルワーク業務がどのように分担・遂行されているのか数量化も含めて明らかにすること目的としている。
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