2006 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームにおけるユニットケアを規定する要因に関する社会学的研究
Project/Area Number |
18730356
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 真枝 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (50359501)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / ユニットケア / 職員配置 |
Research Abstract |
1、宮城県内の全ての特別養護老人ホーム(90カ所)を対象に実施した質問紙調査(平成16年4月実施)の自由回答について、テキストマイニング法による構造化分析をおこなった。また、同調査で得られたデータにもとついてユニットケアリーダーの位置と役割について分析し検討をおこなった。2、新築型の特別養護老人ホームのうち3施設を選定し、参与観察およびユニットケアと職員配置の状況について聴取調査を実施した。特に(1)介護職を対象として、介護職に従事するようになった経緯や動機、入居者に対する個別ケアのさいの具体的な工夫、ターミナルケアに対する考え、現在の仕事に対する評価や満足度などに関して聴き取りをおこなった。(2)入居者を対象として、基本属性、既往歴、家族構成、人的ネットワーク、入居までの経緯などに関して聴き取りをおこなった。3、自治体および運営主体が特養を新規開設(新型特養)するにあたり、地域福祉サービス全体のなかでどのような位置を付与し、いかなる役割を期待しているか、そのさい地域的特性をいかに考慮しているかについて、関係各者への聴取調査を実施した。特養はいまや、単なる収容型の施設サービスにとどまらず、高齢者の在宅での暮らしを支える地域福祉サービスの拠点としての役割が期待されている。ユニットケアの標準化の傾向は、従来言われてきたような施設介護の倫理的転換という意味を内包すると同時に、高齢者の地域生活の充実との関係性において把握される必要があることがあらためて浮き彫りになった。
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