2007 Fiscal Year Annual Research Report
椎尾弁匡と「共生会」を手がかりとした戦前期の仏教社会福祉実践史に関する事例的研究
Project/Area Number |
18730360
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
藤森 雄介 Shukutoku University, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (20364896)
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Keywords | 社会福祉学 / 仏教社会福祉 / 共生 / 浄土宗 / 椎尾弁匡 |
Research Abstract |
平成19年度ついては、当初(1)椎尾弁匡及び「共生会」関連の寺院、施設等への訪問、(2)関連資料の継続的な収集を、主な柱だてとして研究を進めていく予定であったが、椎尾弁匡ゆかりの清林寺において、椎尾の直筆と考えられるノート類、手紙、関係者による口述筆記された原稿等を多数確認することができ、また、三康文化研究所附属図書館の預かりとなっていた「共生会」関係資料も確認することができた。そこで、(2)をより中心的に進めていくこととし、現在、それぞれの資料に関する目録作成作業に着手するとともに、より重要と思われる資料については、デジタル保存を行なう手立てを検討中である。したがって、(1)については当初予定の寺院や施設等を訪問することは十分に行なえていない。しかし一方で、関連学会への参加等を通じて仏教もしくは宗教と福祉実践に関わる多くの示唆を得ることができた。 また、椎尾が所属した浄土宗に関する社会福祉実践事業の現状については、先に行なった調査をもとに、共同研究報告として「浄土宗寺院・住職の福祉意識について-社会福祉実践を支える理念について-」を『仏教福祉』第10号に寄稿するとともに、浄土宗総合研究所主催の「第10回仏教福祉シンポジウム」(平成19年11月12日開催)では、シンポジストの一人として本研究での成果も踏まえつつ、「21世紀の社会福祉の動向と浄土宗社会実践に期待するもの」及び「今後の浄土宗社会福祉事業の振興方策」について発題を行なうことが出来た。 平成20年度は本研究の最終年度ということもあり、清林寺及び三康文化研究所附属図書館資料の目録作成及び、19年度行なうことができなかった関係寺院、施設等への訪問を実施するとともに、仏教社会福祉実践と「共生会」との関わりについても、資料的に明らかにしていきたいと考えている。
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