2008 Fiscal Year Annual Research Report
椎尾弁匡と「共生会」を手がかりとした戦前期の仏教社会福祉実践史に関する事例的研究
Project/Area Number |
18730360
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
藤森 雄介 Shukutoku University, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (20364896)
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Keywords | 社会福祉学 / 仏教社会福祉 / 共生 / 浄土宗 / 椎尾弁匡 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたる平成20年度について、当初、 (1) 清林寺及び三康文化研究所附属図書館資料の整理及び関連史料の収集 (2) 関係寺院、施設等への訪問を実施 を通じて、仏教社会福祉実践と「共生会」との関わりについてもにらかにことを主たる研究方針としていたが、年度中に入手し、一次資料として整理すべき清林寺及び三康文化研究所附属図書館資料の点数が当初想定していたよりも多数あり、かつ、手紙、直筆ノートといったものの他に、椎尾の講演や講話等を複数の関係者が書き取ったと思われる口述筆記原稿、仏教関係資料とその内容も多岐にわたっていた為、当初の予定を変更して本資料の分類整理と目録作成に力を注ぎ、(2) の関係寺院、施設への訪問に関しては、椎尾弁匡ゆかりの清林寺を継続的に訪問し、親族として生前の椎尾を知る椎尾孝子氏からの聞き取りを継続して行うに留まった。 その結果、当初の目標である、社会福祉実践と「共生会」との関わりについて、資料的に明らかにするまでには至らず、その前段である資料目録の作成に留まってしまったが、本研究開始の平成18年度段階では、浄土宗関係者もその存在さえできていなかった膨大な一次資料を確認してそれらを目録として整理し、今後の研究に活用可能な状況にできたことは、「嬉しい誤算」といえる成果であった。 本研究を通じて、共生会の機関誌である『共生』の戦前期刊行分に関してはほば全てを確認し、総目次を公表することができているが、今後、この清林寺及び三康文化研究所附属図書館資料を合わせて活用することで、より重層的な資料に基づいて、仏教社会と「共生会」との関わりとその背景にある椎尾弁匡の「共生〜ともいき〜」思想の深淵を明らかにすることができると考えている。 ※清林寺及び三康本化研究所附属図書館資料目録に関しては、最終的な校正と個人情報保護の観点からのチェック等を行った上で、浄土宗総合研究所発行の研究誌『仏教福祉』13号に投稿を予定している。
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Research Products
(1 results)