2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童福祉施設による専門職としての援助のあり方に関する研究
Project/Area Number |
18730366
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
谷口 純世 愛知淑徳大学, 医療福祉学部, 講師 (10342198)
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Keywords | 乳児院 / 児童養護施設 / 専門性 / 家庭支援 / 自立支援 / 地域支援 |
Research Abstract |
児童福祉施設の他機能化が求められているなか、乳児院・児童養護施設でのその機能への期待は大きい。これらの施設においては従来から、日常生活援助機能がその重要な役割を占めている。子どもや家庭のニーズが大きく変化した現代において、この機能には、多くの専門性が必要とされているが、その業務内容は一見家事・育児に似たものも多く、援助者が常に専門性を感じながら支援をおこなうことや、多職種や地域住民などの関係者・関係諸機関から専門職として常に認知されることは難しい。 このため、本研究は平成18年度から19年度の2ヵ年計画で、乳児院・児童養護施設における専門職としての援助のあり方について調査を実施している。平成18年度は、乳児院・児童養護施設における専門職としての支援を家庭支援・自立支援・地域支援の3つの視点をとおして日常生活援助の専門性を考察するため、全国の乳児院・児童養護施設への郵送調査を実施した。調査対象者として、各施設、施設長および家庭支援専門相談員、主任クラスの職員、直接生活支援を担当する職員の計5名に協力を依頼し、施設長および援助者それぞれ約40%の回収率であった。 現在、調査データを分析中であるが、施設内におけるアドミッションケア、インケア、リービングケア、アフターケアのそれぞれの担当者は業務内容によって推移している。この理由を考察していくことによって、それぞれの業務における専門性や施設全体としての多職種間の連携について明らかになるのではないかと考えている。また、家庭支援、自立支援、地域支援のそれぞれについて、その遂行上の困難度その理由、支援の実施状況や実施方法はさまざまである。これらの支援の現状や課題などをさらに深めることによって、乳児院・児童養護施設の援助者のみではなく、地域の関係者・関係諸機関にも共通に認識される、援助の専門性が明確化できるのではないかと考えている。 このため、平成19年度においては、調査データに基づいて全国10ヶ所の乳児院・児童養護施設を抽出しインタビュー調査により上記課題を明らかにしていく予定である。
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