2006 Fiscal Year Annual Research Report
児童相談所の援助方針決定における当事者参加に関する研究
Project/Area Number |
18730369
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Research Institution | Shuchiin University |
Principal Investigator |
福田 公教 種智院大学, 仏教学部, 講師 (20342264)
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Keywords | 児童相談システム / 児童相談所 / 当事者参加 / 援助方針 |
Research Abstract |
児童相談システムについては、2004年の児童福祉法改正により、市町村が児童相談の一義的相談窓口となった。この状況下、児童相談システムの再構築が喫緊の課題となっているが、そこには自らの権利や意見を表明することの困難な子どもの最善の利益をいかに保障していくかという視点が必要不可欠である。本研究においては、当事者の参加を目指した児童相談のあり方を明らかにすることを目的として研究を進めた。 平成18年度は、援助実践において当事者と援助者との対等な関係の築きにくい場面に対する制度的対応の考察とその背景にある理念の分析に重点をおいて研究をすすめた。とりわけ、子どもの最善の利益を考慮した当事者参加を基本理念とする児童相談の構成要素を明確化するため、以下の研究を行った。1990年代以降の児童相談に関連する文献研究・資料研究、文献研究・資料研究の結果についての児童相談に関する研究者および実務家への電話で聞き取り等である。 その結果、当事者の参加を目指した児童相談は、1997年の児童福祉法の改正以降、政策実践として取り組まれてきてはいるものの、児童虐待相談を中心とする緊急事例や重篤な課題を抱えた相談を前に、十分に機能してきているとは言い難い状況にあることが想定された。 したがって、次年度以降の研究課題は、現在の児童相談における当事者の参加を考慮した援助方針決定の現状と課題を明らかにするためにアンケート調査を実施し、児童相談システムにおける子どもの最善の利益を考慮した相談体制のあり方について検討する素材を明らかにすることである。
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