2007 Fiscal Year Annual Research Report
福祉NPOのアドボカシー-地方自治体に対する政策提言プロセスの分析から-
Project/Area Number |
18730370
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
秋葉 武 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 准教授 (00340480)
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Keywords | 個人の主体性 / ボランティア / 青年団 / GHQ / リーダーシップ / プレーイングマネージャー / ネットワーキング / 末次一郎 |
Research Abstract |
本年度は学内資金や他の外部資金も活用しつつ、基本設計に基づいて本調査を引き続き実施した。特に、前年度後半より当該NPOを調査するに当たって歴史的アプローチの重要性に気づき、戦後から1980年代における市民活動家およびNPO間のネットワーキングとアドボカシーに関する調査研究を行った。 当該組織に関する参与観察、現場密着型の聞き取り、現場での一次資料の分析を行い、これらをベースに関連領域の2次資料、先行研究の収集、分析を行い、現場の実情に即した「アドボカシーのモデル化」を行おうと試みた。 これら研究を通して、NPOの政策提言プロセスにおいて重要となる構成要素に関する精緻化を目指した。政策提言をより効果的に実現するための組織のマネジメント能力の開発に関して、例えば組織の「正当性の獲得」のため、(行政機関との)公式的、非公式的交渉機会へ対するアクセスする能力などについて考察した。その結果、組織のアクセスする能力と組織マネージャーのリーダーシップ能力との密接な関わりが明らかになった。特に、NPOリーダーは(1)自身の業績の向上(2)部下の管理・育成(3)多様なステークホルダーの管理という3つの異なる役割を求められ、「プレーイングマネージャー」として独自の能力が要求されていることを明らかにした。 研究成果の一部を本年度公表した(裏面参照)が、最終年度となる次年度に上述の課題を精緻化し、研究論文として明らかにしていきたいと考えている。
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