2008 Fiscal Year Annual Research Report
福祉NPOのアドボカシー-地方自治体に対する政策提言プロセスの分析から-
Project/Area Number |
18730370
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
秋葉 武 Ritsumeikan University, 産業社会学部, 准教授 (00340480)
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Keywords | アドボカシー / アクターの多様性 / ネットワーキング / 青年団 / 末次一郎 / 寒河江善秋 |
Research Abstract |
最終年度となる本年度は学内資金や他の外部資金も活用しつつ、本調査を引き続き実施してとりまとめを行った。 NPOの政策提言における重要な構成要素の一つとして、前年度に「プレーイングマネージャー」の存在に着目し、マネージャーが1. 自身の業績の向上2. 部下の管理・育成3. 多様なステークホルダーの管理という3つの異なる役割を求められていることを明らかにした。これを受けて本年度は3. の鍵として行政機関との公式的、非公式的交渉機会へ対するアクセスする能力などについて考察した。これを具体的に精緻化するため、戦後から現在において日本の市民活動家および彼らのネットワーキングとの連関性に関する調査研究を行った。本研究に歴史的アプローチを取り入れたことで、NPOのアドボカシーは外部環境の変容に適応した戦略が必要となるものの、その構成要素は一定の普遍性を持ち得ることを示し、構成要素をより精緻化することができた。従来、看過される傾向にあったNPOのアドボカシーのプロセスを一定程度可視化したといえる。 本年度の研究成果は、『日本ボランティア学会誌』、『立命館産業社会論集』等の学術雑誌への寄稿、『NPOジャーナル』といった一般誌への寄稿すると共に、地方自治体の職員研修等において成果を公表することができた。近刊として公表される予定の複数の論文では、現在進行形で地域で展開されている地方自治体に対するNPOのアドボカシーのケーススタディをテーマとしている。
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