2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者福祉問題解決に向けた住民のパワー測定尺度とエンパワメント・アプローチの開発
Project/Area Number |
18730378
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Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
渡辺 裕一 Health Science University, 健康科学部福祉心理学科, 准教授 (70412921)
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Keywords | 高齢者支援 / 地域住民 / エンパワメント |
Research Abstract |
1.高齢者福祉問題の解決に向けた住民のパワー測定尺度の開発に向け、尺度開発に必要な確証的因子分析について専門的知識の提供を受けた。AMOSによって18年度に収集した調査データの分析を行った結果、高齢者を支援する地域住民のパワーが「地域の高齢者福祉への影響力意識」「地域の高齢者問題の共有意識」から構成され、一定の構成概念妥当性及び信頼性を有していることが示された。この結果から、高齢者を支援する地域住民のパワーの高低の測定に本尺度の合計得点が役立つことが考察された。今後も交差妥当性の検討などを通して尺度の改訂を実施したい。 2.高齢者福祉問題の解決に向けた地域住民のエンパワメント・プログラムの開発については、社会福祉協議会の協力を得て地域福祉活動計画策定のプロセスが地域住民のパワーに与えた影響について検討を行った。2地区を選定し、地域福祉活動計画の策定にかかわった地区とかかわらなかった地区にたいして同様の調査票を配布し、郵送調査を行った。先に開発した高齢者を支援する地域住民のパワーの評価尺度の測定を行ったが、有意差は認められなかった。これには、それぞれの地域性が強い影響を与えていると考えられ、調査の対象や方法など再検討を要する。 3.特に高齢者福祉問題の影響が大きいと考えられる高齢化率50%以上の集落に生活する一人暮らし高齢者にインタビュー調査を行った。その結果、地域住民からのサポート受領の大きさとサポート提供の継続困難状況が明らかになった。この地域で生活する住民の高齢者支援のパワーについて、今後継続して検討をしていきたい。
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