2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケアの本質の探究 -ケアにおける関係性と立場の検討をふまえてー
Project/Area Number |
18730379
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Research Institution | Gunma Shorei Junior College of Welfare |
Principal Investigator |
藤野 好美 群馬松嶺福祉短期大学, 人間福祉学科社会福祉専攻, 准教授 (30389796)
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Keywords | 社会福祉 / ケア / 介護 / 高齢者ケア / 利用者 / サービス |
Research Abstract |
(1)何らかの介護保険サービスを利用している65歳以上の在宅で生活している高齢者13名(女性9名、男性4名/独居7名、夫婦二人暮らし4名、昼間独居2名)に対して行った半構造化インタビューをデータとして質的分析を行った。インタビュー内容は、日常生活のこと、サービスの利用、サービス関係者に対して思うこと等である。インタビュイーの中心が独居高齢者であり、日常生活はほぼ自立しているためか、「介護保険サービスを利用している」という自覚はあるが、「援助やケアを受けている」という語りは見られなかった。つまり、彼らは自らについて「将来的には援助やケアを受ける可能性はあるが、現在は受けていない」との認識を持っていて、認知症を患っていたり、寝たきりになっている高齢者が「援助やケアを受けている」と考えていた。サービス関係者に対する言葉は、「友人ではない」「家族ではない」「近所の人ではない」、しかし「自分たちの生活を助けてくれる」、「サービスの利用なしに、生活は成り立たない」というものあった。そして、「ほどほどに甘えるもの」であり、「とことん甘えられない」とも語られた。支援・援助者と利用者との関係に対して、利用者は「枠」を作っていることがうかがえ、すでに生活していくに必要不可欠な要素でありながら、一方で依存しきれない、依存してはいけないと認識されていると考えられる。 (2)障害者へのインタビュー、家族介護者へのインタビューを継続して実施中 (3)(1)(2)の結果をふまえて、サービス関係者へのアンケート調査を計画中
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Research Products
(1 results)