2006 Fiscal Year Annual Research Report
オンライン・コミュニティにおける社会的影響過程に及ぼす識別性と匿名性の効果
Project/Area Number |
18730383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森尾 博昭 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 助手 (80361559)
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Keywords | 社会的影響過程 / 社会的認知 / 匿名性 / 識別性 / 社会的アイデンティティ / 対人認知 / コミュニケーション / CMC |
Research Abstract |
平成18年度には、研究実施のための準備として、匿名性と識別性に関する既存の研究の検討を行った。特に、匿名性と識別性がコンピュータ・コミュニケーションにどのような影響を与えるかを、社会心理学的な観点から考察し、"How anonymous are you online? Examining online social behaviours from a cross-cultural perspective"という題目の論文としてまとめた。この論文はコンピュータ・コミュニケーションを専門とする学術雑誌AI & Societyに採録されることが決定している。また、国内外の社会心理学およびコンピュータ・コミュニケーション関連の学会に参加し、最新の研究動向の情報収集を行った。また、予備調査として、コンピュータ・コミュニケーションにおける対人認知過程の探索的検討を行った。この予備調査は既存のインターネット・コミュニティに参加した経験のある一般の大学生を対象に行われた。この調査ではインターネットにおけるコミュニティで見られるようなメッセージのサンプルを刺激として、メッセージの作成者がどのような個人属性を持っているのかを推測させた。このとき、条件として用いたのは識別性の有無と話題の内容である。この調査の結果は、平成19年度に日本社会心理学会および日本パーソナリティ心理学会において発表の予定である。また、平成19年度以降実施される予定である実験で用いるコミュニケーション・システムを構築した。フリーウェアを中心としたデータベースおよびスクリプト言語のプログラムから構成されるシステムを基本的システムとして用い、条件として用いる匿名性・識別性の有無を操作した場合に、参加者のシステムに対する印象が出来るだけ同一になるよう設計・実装を行った。平成19年度には、このシステムを用い実験1を実施する予定である。実験1では、個人属性の自動推測を統制された状況下で検討する予定である。
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