2007 Fiscal Year Annual Research Report
逸脱行為の悪質性評価に関する研究-道路交通法改正をふまえたアクションリサーチ-
Project/Area Number |
18730392
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
北折 充隆 Kinjo Gakuin University, 人間科学部, 准教授 (30350961)
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Keywords | 社会規範 / 逸脱行為 / 悪質性評価 / 交通違反 / アクションリサーチ / 記述的規範 / 命令的規範 / 縦断調査 |
Research Abstract |
本年度はまず、一時不停止に関する観察研究について得られた知見を日本社会心理学会代49回大会(於東京)にて発表し、学内紀要に執筆・投稿した。このプロジェクトでは、車種と交通行動との関連を検討し、シートベルト着用率に車種間の違いは特に見られないこと、業務用車について停止線を越えて停止した車両が有意に少なく、徐行で済ませたケースが多いことを明らかにした。この知見から、慣れ要因が危険な旧人型ヒューマンエラーを引き起こすため、免許取り立ての初心者ではなく、むしろプロのドライバーに対してルールの遵守を強く訴える方略が重要であることを明らかにした。 また、交通違反をどう評価しているのかを検討するため、運転免許歴との関連に関する縦断調査の知見をまとめ、学内紀要に執筆・投稿した。本論文では、全体的な悪質性評価がおおむね道路交通法における免許違反点数に対応しており、違反点数が高く、重大な違反と見なされているものほど悪質性評価が高い傾向にあることを見出した。しかし、免許歴が長く運転経験が積まれるほど違反行為を軽視するという予測は支持されず、飲酒直後の運転や踏切での一時不停止では、むしろ悪質性評価が上昇していた。全体の傾向を概観すると、速度超過に関する項目は免許歴とともに低下する傾向にあり、罰則の厳しさや継続性、行為の危険性や故意性など様々な原因が推測された。 最後に、申請者が大学院時代より行ってきた研究成果を著書としてまとめ、風間書房より公刊した。本書では、周囲の他者が取る行動に個人の行動判断が強く依存していることを実証し、これまで明らかになってこなかった、「駐輪禁止」と「駐輪厳禁」の効果の違いなど、違反行為の抑止に関する実験で得られた成果もあわせて報告した。
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Research Products
(3 results)