2006 Fiscal Year Annual Research Report
潜在的・顕在的な自己観・健康行動に対する態度と健康行動との関係性に関する研究
Project/Area Number |
18730400
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
小林 知博 青山学院女子短期大学, 教養学科, 講師 (70413060)
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Keywords | 社会化系心理学 / 潜在的態度 / Implicit Association Test / 自己観 / 健康促進行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人が意識的にコントロールできない自動的(潜在的)な思考・態度の測定方法の代表的測度であるImplicit Association Test(以後IAT ; Greenwald, McGhee, & Schwartz,1998)を用い、人々の健康促進行動と健康に対する態度(潜在・顕在的)の関連性を検討するものである。具体的にはIATを用い、潜在的自己観とともに健康(健康促進行動、喫煙行動)についての潜在的態度と顕在的態度の関係性、そして実際の健康行動(運動量、喫煙量)との関係性を検討する。また健康についての自己観が大きく異なると思われる若年者と高齢者を対象とした研究を行い、臨床場面への応用へも拡張しうる知見の創出を目指す。 平成18年度の研究では、シルバー人材センターの協力のもと、高齢者46名(男性23名、女性23名、平均年齢68.58,SD=4.73)を実験参加者とした実験、および大学生50名を参加者とした実験を行った。高齢者の研究では、顕在的には、自分イメージが高い人は、規則正しい生活をし、栄養バランスよい食事を摂るよう心がけ、たばこを控えるようにしているという結果になった。また、高齢イメージがポジティブである人ほど健康診断に行く、酒を控える傾向がみられた。他方、潜在的には、自分と周囲の人々との関係認識がポジティブであると、休養をとる、お酒を控える、地域活動をするよう心がけるなどの健康増進行動をよく行っていた。ただし自分の年齢が高くなるほど、自分と健康の連合は強くなるが、同時に地域活動には消極的であることが明らかになった。大学生の研究ではそのような結果とはならなかった。 本研究より、年齢が高くなると周囲の人々との関係をポジティブに維持することが、健康増進活動と関連することが明らかとなった。
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