2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730404
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
園田 菜摘 山形大学, 地域教育文化学部, 助教授 (00332544)
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Keywords | 母親 / 保育者 / 幼児期 / 愛着対象 / 養育者への認知 / 有能感・受容感 |
Research Abstract |
本研究では,幼児期の発達における母親と保育者の役割を比較するために,子どもと母親・保育者との関係性を測定し,年齢に応じた子どもの発達特徴との関連を検討することを目的とする。 1年目である平成18年度では,幼稚園年少児24名を対象とした。関係性の測定については,まずPAT(Picture of Attachment Test)の絵カードを用いて,母親・保育者それぞれに対する子どもの愛着得点を算出した。また,CCP, CCT(Children's Cognition of Parents/Teachers)の幼児用絵カードを用い,子どもが認知する受容得点・拒否得点を母親・保育者それぞれについて算出した。さらに子どもの発達については,有能感・受容感尺度(Harter & Pike,1986)を参考にして,有能感得点,受容感得点を算出した。 その結果,子どもから見た母親・保育者との関係性の特徴については,子どもの性別による有意な差は見られなかったが,月齢と子どもが認知する母親からの受容得点との問に有意な相関が示され(r=.45,p<.05),月齢が高いほど子どもが母親から受容されていると認知していることが示された。母親・保育者との関係性と子どもの有能感・受容感との関連については,子どもが認知する保育者の拒否得点においてのみ有意な相関が示され(r=.41,p<.05),子どもが保育者を拒否的と認知しているほど子どもの有能感が高いことが示された。 以上のことから,年少児においては,母親よりも保育者との関係性の方が,自己意識の一つである有能感の発達にとって重要である可能性が示唆される。
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