2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730405
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
中間 玲子 Fukushima University, 人間発達文化学類, 准教授 (80343268)
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Keywords | 青年心理学 / 社会系心理学 / 教育系心理学 / 青年期 / 自己意識 / アイデンティティ / 自己形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)従来の青年期的概念と現代における青年の姿との合致点・相違点を明確にし、青年期の再定義を行うこと、(2)現代における青年期の自己意識の功罪について検討すること、(3)日本における現代青年期のあり方を欧州のそれと比較検討すること、である。2007年度は特に、(1)自己理解"自分探し""自己分析"の意味に関する文献研究、およびそれをふまえた概念的枠組みを設定、(2)自己意識検討のための変数を設定し、現代青年の様相との関連を検討すること、(3)個人の自己形成の文脈における自分探しの影響の検討、を具体的課題としていた。 2007年度の成果は、以下の3点であった。 (1)自分探しに関する文献研究および概念枠組みの提供:戦後から現代の自分探しにつながる系譜の概観、その変遷過程をよみとく心理学的枠組みについての文献研究を行った。心理学による自分探し促進要因としての「人間性心理学」の歴史的動向については、書籍の一章にまとめた。また、自己意識を分析する概念枠組みとして、「公」-「私」関係、アイデンティティ観の2点の着想に至り、現在、理論化をはかるべく執筆を進めている。 (2)自己意識に関する変数と現代青年の様相との関連:現代青年の自己意識を読み解く変数として、個人の自己観、アイデンティティ観といった、メタ自己意識とでもいうべき変数を想定した。まず、日常の意識との関係でどのようにそれらが動くのかについて調査結果をまとめ、論文化した。次に、「真の自己」観念、自己探求的心性について調査・分析し、その結果を学会発表した。現在、新たな調査に向けて計画検討中である。 (3)個人の自己形成の文脈における自分探しの影響の検討:キャリア形成を文脈とした実践的調査を行い、個人の内面の変容過程について分析を進めている。
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Research Products
(5 results)