2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の三者関係の成立と維持にかかわるコミュニケーションスキルの発達的研究
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18730409
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
礪波 朋子 Kyoto Koka Women's University, 人間関係学部, 講師 (20377229)
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Keywords | 発達心理 / 幼児 / 三者関係 / 意見調整 / コミュニケーションスキル / 対話 |
Research Abstract |
本研究は子ども達が円滑な仲間関係を築くために必要なコミュニケーションスキルについて検討するため、幼児3人組の相互作用を詳細に分析し、二者間コミュニケーションと異なる三者間コミュニケーション独自の特徴を明らかにすることを目的としている。そのため、幼児3人1組で一緒に協同課題を行う場面での相互作用を検討し、バランスのとれた三者間コミュニケーションの特徴を検討した。その結果、年少児では、双方への視線や顔の向き、発話の宛先の不定性、独語に対する応答性などが三者間のコミュニケーションの成立と維持に影響する可能性が示された。また、三者間で共有するものとして笑いや模倣が重要な役割を果たしていることが認められた。二者間コミュニケーションでは発話や行為の対象が明確だが、三者間ではコミュニケーションの送り手と受け手が不確定であるためコミュニケーションの成立には発話や行為の宛先の特定が重要だと考えられる。ただし、大人の相互作用と異なり、年少児は人数にかかわらず宛先のない発話(独語)を行うことが少なくない。その点を考慮すると、幼児期には独語に対して応答可能な者が多い方(人数が多い方)が、コミュニケーションが成立しやすい可能性も考えられる。そこで、最終年度は独語が減少していくより年長の三者間コミュニケーションについて検討し、各年齢群の相互作用を比較し、行為や発話の宛先の特定・不特定の要因や、笑いの共有や模倣等が、各年齢群の三者間コミュニケーションの成立・維持にどのような影響を与えているかを明らかにする。
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