2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730413
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
赤木 和重 三重大学, 教育学部, 講師 (70402675)
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Keywords | 心の理解 / 教示行為 / 社会性 |
Research Abstract |
今年度は,幼児・児童を対象にした教示行為の発達についての研究を実施した。特に,他者の状況によっては,あえて教えないことが他者の知識・技能向上につながるという「教えない教示行為」の発達について実験・調査を行った。4歳児10名,5歳児13名,小学2年生66名,4年生54名,6年生63名を対象とした。幼児では個別実験,小学生には調査用紙を配布してデータ収集を行った。自分は解決策を知っているが,他者はそれを知らず,しかし,もうすぐできそうな状況を絵本場面で提示し,その場での行動を尋ねた。例えば,友だちが,紙飛行機を折ることができないが,しかし,もう少しで紙飛行機が完成しそうな状況を提示した。その結果,小学校2年生から徐々に「教えない」とする回答が増加することが明らかになった。この事実は,脱中心化に代表されるような他者理解の発達と関連することが示唆される。 次年度は,以下の2点について研究をすすめる予定である。1つは,今回の結果をとりまとめ,学会発表・論文投稿を行う。もう1つは,幼児を対象にした教示行為の発達についてさらに検討をすすめる。
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