2008 Fiscal Year Annual Research Report
帰納的推論学習におけるメタ認知の脳過程に関する電気生理学的研究
Project/Area Number |
18730424
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
岩木 信喜 Kyushu Women's University, 人間科学部, 教授 (80341593)
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Keywords | 帰納 / フィードバック関連陰性電位 / 事象関連電位 |
Research Abstract |
帰納的に獲得された連合強度を反映する確信度がERPに与える影響 方法 対象者 : 大学生14名が実験に参加した。課題と手続き : 被験者は漢字の読み課題(漢字3級検定用教材)を行ってもらい、各読みの確信度を記録した(「ほとんど勘」から「正しいと自信を持っている」までの4段階)。400問から700問を行った。実験者は被験者の読みに対して正誤のフィードバック(FB)をモニター上に呈示した。FBは被験者の自発的なボタン押しから500ms後に1000ms間与えた。脳波の測定と装置 : 課題遂行中、継続的に脳波を測定した。脳波は、前頭部、中心部、頭頂部の計3部位から両耳朶平均を基準として導出した。 結果と考察 被験者ごとに正試行と誤試行の脳波をそれぞれ加算した。正答と比べて誤答の場合には、前頭-中心部優勢のフィードバック関連陰性電位(FN)、及び、中心-頭頂部優勢のP3が増大した。 次に、正誤の各試行をさらに確信度の高低試行にわけて脳波を加算した。正試行では、回答内容に少しでも疑念がある場合にはFNが出現し、確信度が小さいほどP3が増大した。回答に疑念がある場合にはエラー検出機構が機能するが、正答であったことから課題関連情報の認知を反映してP3が増大したものと考えられる。 誤試行を確信度の高低別に加算したところ、FN振幅は同程度であったが、P3は高確信度試行のほうが大きかった。連合強度の強い記憶ほど誤り認知後に修正されやすいが(Butterfield & Metcalfe, 2001)、それはエラー処理後の情報処理が関与していることが示唆された。
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