2006 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の仲間関係における社会的スキルと情緒調整の役割に関する研究
Project/Area Number |
18730425
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Research Institution | Aomori Chuo Junior College |
Principal Investigator |
高橋 千枝 青森中央短期大学, 幼児保育学科, 講師 (00412916)
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Keywords | 発達 / 幼児期 / 仲間関係 / 意図理解 / 情緒 / 社会性 |
Research Abstract |
本研究は幼児期の仲間関係の発達に関する研究である。特に近年、保育所/幼稚園といった乳幼児の集団活動の場において知的発達には何ら問題がなく、また障害の診断基準にも当てはまらないにも関わらず、集団活動ができない、友だちとうまく遊べない、さらには情緒の自己コントロールができないといったいわゆる「気になる」子どもの存在がクローズアップされてきている。このような子どもたちの支援を考えるためにも本研究では、幼児の社会的スキルに関する行動観察と実験場面における幼児の情緒的判断をもとに子どもたちの仲間関係を検討する。そこで本研究は、幼稚園や保育所において保育者等からあげられた「対人関係がうまくいかない」と考えられている幼児の社会的スキルに焦点をあて、行動観察を行い仲間関係の発達について検討する。そのため平成18年度は、分析カテゴリーの精緻化に努めた。まず過去の仲間関係におよび集団活動における幼児期の社会性に関する文献のレビューをおこなった。その結果、社会的スキルの高低により、同年齢との仲間関係に違いが見られるという結果が多く見られた。しかしながら、個人内のスキルに焦点をあてた研究が多く、他者との関係性や相互作用がおこなわれている背景・文脈を詳細に考慮し検討した研究はあまり見られない。相手との関係を考えた場合、どのような相手とどのような文脈における社会的スキルの行使であるのかを考慮し検討する必要性があると考える。したがって平成19年度は精緻化した分析カテゴリーをもとに実際の集団活動場面の行動観察を行なう。また社会的スキルといった行動面に加え、意図・情緒調整の部分にも焦点をあてる。意図・情緒調整の検討には平成18年度に行なったレビューをもとに幼児に擬似的場面を見せその場面にどのように対応するかといった実験場面を設定し、幼児に実施する。
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