2006 Fiscal Year Annual Research Report
死亡告知法の研究:「突然の死」の告知基準と告知者向けの研修プログラムの開発
Project/Area Number |
18730435
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柳田 多美 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (10422619)
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Keywords | ストレス / 被害者援助 / トラウマ |
Research Abstract |
本研究では突然の死亡が起きた際に医療者や警察官が行う遺族への告知の方法を研究することで、遺族の心理的混乱や告知による二次被害の減少を目指すと同時に、告知に関わる援助者のストレス軽減を目的とした。そのために、日本における「突然の死」の告知実施の現状調査を行い、告知従事者のストレスおよび研修へのニーズの調査、および日米の死亡告知に関する態度の違いについて質問紙調査を実施してその現状を明らかにすることを第一の目的とした。今年度は、都内二ヶ所の救命救急センターで行ったパイロットスタディの内容を詳しく解析し、日本での死亡告知の現状調査を全国規模で行うために、質問紙の内容の改定を行った。またパイロットスタディで出された死亡告知の現状については、死亡告知研究の概論を論文執筆した際に、紹介を行っている。また死亡告知を受ける体験はトラウマ体験ととらえられるが、トラウマ体験時とその直後の精神症状がその後の精神健康に大きな影響を与えることが分かっている。その中でも代表的なその後の精神健康の予測因子は、周トラウマ期解離と呼ばれるが、その最新の知見を紹介する概論を執筆した。 また有用な死亡告知の研修プログラムを開発するために、突然の死別により複雑性悲嘆反応を示す人のための治療技法や、ガン告知などのネガティブなニュースの告知をする人の技術向上のための研修プログラムを学んだ。今年度はさらに、実際に被害者援助に従事する人を対象としたセミナーや、警察官を対象とした研修会などにおいて、死亡告知の概念および一般的な手続きについて紹介や研修に着手した。さらに、悲嘆研究のシンポジウムにおいて「死亡告知研究」について話題提供も行っている。
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