2008 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由児・者における身体運動発達と日常生活動作の関係についての多面的検討
Project/Area Number |
18730436
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
香野 毅 Shizuoka University, 教育学部, 准教授 (70324324)
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Keywords | 肢体不自由 / 日常生活実態 / 多変量分析 / 縦断的調査 |
Research Abstract |
平成20年度は、過去2年間において行った大規模調査のまとめを行った。先行研究や現在の肢体不自由教育の動向などを検討した上で、考察を行い、論文としてまとめる作業を行った。この調査から得られた知見は、肢体不自由のある児童生徒の日常生活実態が、どのような要因によって決定されているかを多変量的に見出したものであり、今後の肢体不自由教育における実態把握や課題設定に寄与するものと考える。具体的には、肢体不自由のある児童生徒の日常生活は、身体運動能力に加えて、コミュニケーションの表出力に大きく影響を受けており、また年齢による自立度の上昇も顕著であった。 同時、平成20年度は縦断的に調査を続けてきた協力児のデータをまとめ、分析を行った。肢体不自由のある児童がどのような日常生活の変化が生じているのかについて、詳細に記述することができた。彼らの生活実態を長期的に調べた先行研究は少ないために、非常に貴重な資料を収集できたと考える。要点としては、彼らの日常生活の変化は身体運動能力の変化に伴うものがほとんどであったこと、変化の生じやすい生活領域として食事や衣服の着脱があがったことなどを見出した。これらの結果については、今後、関係学会などにおいて公表していく予定である。
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