2007 Fiscal Year Annual Research Report
箱庭制作過程における身体感覚およびイメージの体験に関する研究
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18730437
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 竜太 Kyoto University, カウンセリングセンター, 講師 (20402951)
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Keywords | 箱庭 / 制作過程 / 身体感覚 / イメージ体験 |
Research Abstract |
平成19年度は、平成18年度から開始した箱庭制作過程における体験を捉える手法を開発するための資料収集、およびその手法を精緻化するための事前調査を引き続き行い、そこで得られた知見をもとに、箱庭制作過程における体験を捉える手法の開発のための予備的な調査を行った。予備的な調査においては、そこで見出された課題に対して工夫や改善を行うことを通して本調査に向けての課題を明らかにし、それをもとに本調査を実施するにあたっての準備を適宜進めていった。本調査に向けての準備としては、特に箱庭制作における制作の場の重要性を踏まえて、制作者にできるだけ圧迫感の少ないように調査のために使用する機材の配置を工夫することや、箱庭制作の場全体のセッティングについて検討を予備的な調査やその後の改善を通して適宜行った。上記のうえで、本研究に対する調査協力についての呼び掛けに応じた大学生を対象として、研究代表者1名が立ち会う中で、箱庭制作および擬態語を用いた手法による箱庭制作過程における体験についての振り返りを行う本調査を開始した。本調査は次年度も引き続き行っていく予定であり、本調査においても、その中で見出された課題についてその都度検討と改善を図り、箱庭制作過程における体験を捉える手法の開発というその過程そのものについても本研究全体を通しての考察の対象となるよう研究を進めているところである。最終年度となる次年度において本研究全体のまとめを行っていく前段階として、事前調査、予備的な調査、本調査を通して、箱庭制作過程における制作者の体験、特にその感覚的・動的な体験についての検討を行い、箱庭療法、さらには心理臨床実践における「体験」について広く検討を行うための土台作りとなったと考えている。
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