2008 Fiscal Year Annual Research Report
非行生徒への効果的対応にむけた教師支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
18730442
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
松嶋 秀明 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 准教授 (00363961)
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Keywords | 協働 / 非行 / スクールカンセラー / ケース会議 |
Research Abstract |
最終年度は、昨年度にき続き、2つの中学校の教育相談・生徒指導の体制づくりに関わり、連携を円滑にすすめるための情報交換会議、あるいはケース検討会議を行いつつ、そこでの教職員の相互作用の過程を記述した。その結果、それぞれの学校がおかれた地域性、あるいは生徒のもつ問題性などによって現れ方は異なるものの、教員間での認識のズレは、それまでの実践の行き詰まりを創造的に解消する潜在力をもつことが確かめられた。ただし、こうした認識のズレは、介入者/研究者にとっては明らかでも、教員同士はそれが見えないか、もしくはその存在が隠蔽されているうちは解消にむかうことはない。創造的な解決にむかうのは、教員同士が、お互いのあいだに認識のズレがあることをまず認め、各々の立場から意見をぶつけあうことによってもたらされた。こうしたぶつかりあいは、ともすれば教員組織の秩序を壊すことにもつながることから、媒介者であるスクールカウンセラーや研究者の存在の重要性も同時に指摘できる。こうしたにて口頭発表を行った。国際学会では、筆者のとるアプローチと、活動理論による現場改善アブ結果は、国内学術雑誌(質的心理学研究, 第7号)に採択されたほか、国際学会(ISCAR, 2008)にて口頭発表を行った。国際学会では、筆者のとるアプローチと、活動理論による現場改善アプローチとの異同が議論された。今後、他に多くあるアプローチとの交流を続けることで、理論的な洗練をはかることが課題として残された。
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Research Products
(6 results)