2008 Fiscal Year Annual Research Report
心疾患罹患者の臨床心理学的実態研究と支援プログラムの検討
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18730444
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
長谷川 恵美子 Seigakuin University, 人間福祉学部, 准教授 (00334251)
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Keywords | 心臓リハビリテーション / 循環器疾患 / 精神症状 / 抑うつ症状 / メンタルヘルス / 心筋梗塞 / ストレス・コーピング / QOL |
Research Abstract |
本研究は、心疾患罹患者の精神・身体的に総合的な調査研究をもとに、精神・心理面からの支援プログラムのガイドラインの作成と罹患者支援プログラムの開発を目的としている。過去3年間の本調査により、(1)心疾患患者の精神的健康度が同世代の健常者に比べ極めて低く、その要因の1つとして、一般的な高齢群にみられるストレス対処方法の活用(聖学院大学論叢.vol.21(3)2009 ; p.263-271)が見られず、その対処に偏りがあること(第14回心臓リハビリテーション学会抄録集p.S116)、(2)心疾患の種類により差異はあるものの、全体的に「前向きな対処」など複数の有効なストレス対処方法が実践されていない傾向があること(JACR.vol.14(2)2008. ; p.205-209)、(3)その傾向が心疾患と関係すること(Circulation Journal.Vol.73(Suppl I).2009 : p.596)を報告した。また07年度に申請者らが改訂した、心血管疾患におけるリハビリテーションに関するカマドライン(日本循環器学会HP)の精神・心理分野に基づき、循環器医療における精神・心理面からの支援において、従来の支援方法に固執することなく、他職種の理解と連携を踏まえた柔軟な対応が不可欠であることを提案した(第14回日本心臓リハビリテーション学会シンポジウム, 2008.7/第9回心臓リハビリテーション指導士講習会, 2008.7)。またその対策としてエンパワーメントという視点の有効性を示し(心臓リハビリテーション.Vol14(1). 2008 ; p.56-58)、心臓リハビリテーションにおける自律訓練法など心理療法の応用と実践上での注意点を報告した(JAST31.抄録集, p.66)。さらに他の医療職への医療領域における臨床心理士の役割と連携、他職種が精神・心理面から患者を支援する際に有用な情報を、「心臓リハビリテーション-現場に役立つTips」(伊東ら, 2008)、「心臓リハビリテーション-知っておくべきTips」(伊東ら.2008)にまとめ、最終的に心疾患患者およびその家族を対象とした精神・心理面からの支援用パンフレットを作成した。
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