2008 Fiscal Year Annual Research Report
異職種間コラボレーションを目的とした臨床心理職トレーニングの開発研究
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18730446
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
藤川 麗 Komazawa Women's University, 人文学部, 准教授 (10350513)
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Keywords | コラボレーション / 臨床心理 / 教育・訓練 / 効果研究 |
Research Abstract |
本研究は, 医療・保健・福祉・教育等のさまざまな対人援助の領域に広く適用できるような, 異職種間コラボレーションの技能の教育に焦点化した臨床心理職の教育・訓練プログラムを提案することを目的とした。本年度は, まず、一昨年度と昨年度のイギリスとカナタでの聞き取り調査で得照れた情報を整理し, それらを元に, 日本の臨床心理職養成大学院に適した, コラボレーションのための教育・訓練のポイントを考察した。その結果、(1)クライエントの利益を第一に考える、援助専門職としての基本的態度の育成。(2)コラボレーションに必要な能力(コミュニケーション能力、チーム・マネジメント能力)の育成。(3)自分が提供したサービスの自己評価の方法や、クライエントや異職種のスダッフとの協働的な評価方法など、サービスの評価方法に関する教育、の3点が重要であると考えられた。 そこで, これらの態度や能力を高めるためのプログラムを考案し、修士課程で臨床心理学を学ぶ大学院生8名を対象として実施した。プロダラムの内容は、(1)コラボレーション場面を想定した事例を作成してロールプレイを行う(セッションはヒデオで録画する)、(2)小グループでの振り返り、(3)コラボレーションに関する講義、(4)ビデオ画像を視聴しながらの議論、(5)同一課題で再度ロールプレイを行う、という手順で行われた。(2)の講義や(4)ヒデオ視聴による検討の過程において、コラボレーションに臨む態度や技能を重点的に教育した。プログラムの効果について、参加者自身による質問紙での自己評価と、第3者によるビデオ画像の評定によって検討したところ、1回目のロールプレイよりも2回目のロールプレイの方が, コラボレーション技能が有意に高かった。このことから、プログラムによってコラボレーション技能が高まる効果があったと考えられた。今後、プログラムの内容や評価方法について、さらに精査し、改善していきたい。
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Research Products
(2 results)