2006 Fiscal Year Annual Research Report
「治療的査定モデル」に基づく心理検査のフィードバックの教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18730447
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 健介 金沢工業大学, 基礎教育部, 助教授 (90319038)
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Keywords | 治療的査定モデル / 心理検査 / フィードバック / MMPI |
Research Abstract |
今年度は,フィードバックに関する初学者に適した教育プログラムを作成し,予備的なデータを収集した。 教育プログラムはこれまでに実績のあるフィードバックマニュアル(塩谷・石川,1999)を中心にして,Finn(1998)の手続きをいくつか取り入れて,段階的なプログラムとして以下の通り整備した。 段階1は当該の心理検査の知識を確認する段階。段階2は段階1で正解できなかった場合の予備的段階。段階3は当該の検査に関する解釈を確認する段階。段階4はフィードバックをロールプレイにより練習する段階。この段階では上記のマニュアルを用いて,(1)クライエントを相談室に招き入れる,(2)説明前の雰囲気作り,(3)心理検査全般の説明,(4)個別の心理検査の説明,(5)プロフィールの見方の解説,(6)プロフィールから予測される解釈の説明と(7)それに関する対話(質疑応答も含む),(8)最後に感想を求める,を訓練する。段階5から7は架空のプロフィールを用いたフィードバックをロールプレイを用いて訓練する段階。フィードバックする際には,段階4で習得した(1)から(8)が適切に実行されるかどうかが確認された。段階5は「高点プロフィール」,段階6は「低点プロフィール」,段階7は「中程度の高さのプロフィール」を対象にした。 このような教育プログラムを初学者に実施し,各段階において適切な実行が確認されるまで訓練した。次に,訓練を受けた初学者が実際にフィードバックを行い,「クライエント」にどのような印象をもたれるのか査定した。この結果,かなりの程度,肯定的な評価を得ることができた。内容を見ると,教育プログラムで強調している「対話による説明」が,「クライエント」に受け入れられていることが示唆された。ただし,ボランディアの人数は限られているので,いずれの状況,対象者にも一般化できるかどうかは,今後の検討を待つ必要がある。
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